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東京在住の30代が好きなモノやコトを記録するためのブログです。

自己肯定感の正体

どうすれば自己肯定感をあげられるのだろう

20代後半の大きな悩みは、自己肯定感が低いことだった。働き始めて数年が経ち、自分のやりたいこと、次の道を模索している頃だった。その時に障壁になったのは、自分には能力が足りないのではないか、自分には無理なのではないか、と自分で自分にブレーキをかけてしまう思考。周りには自信がないようには見えないと言われていたし、働く上で自信がないように見せないことの重要さも体感していたし、結局自分のことを信じてあげられるのは自分しかいないのだと、頭では理解していた。でも、心の中では、自信の無さでいっぱいだった。上手くいかなかったことや失敗したことが静かに降り積もり、同時に周りのスゴイ人たちと比較しては劣っていると落ち込んだ。そうやって落ちていっても仕方なくて、足りないことは努力するしかないし、挑戦しなければダメかどうかもわからないと自分を鼓舞しながらも、どうすれば根本の”自己肯定感”を高められるだろうかと考えていた。

 

その問いに対して明確な答えが出たわけでないけれど、挑戦して出来ることを積み重ねていくしかないと働き続ける中で、今度は”価値を出さなければ意味がない”という思考に囚われていった。成果を出すこと。期待に応えること。働く上で、プロとして、当たり前なのかもしれない。けれども、成果を出せなければ、期待に応えられなければ、価値を出せなければ、”自分には意味がない”と思うようになり、それは同時に自分が他者を見る目にもなった。また、成果や期待や価値の基準が自分ではなく他者にあると、周りに評価されるかどうかが行動原理となる。他者からの称賛は嬉しいしモチベーションになるけれど、それが行動原理になるのは危うい。行動の起点が、誰かがいいと思うか、評価してくれるか、になってしまうから。誰かが評価してくれないと、自分のことを認められなくなってしまうから。

 

あるがままを受け入れられること

そもそも、自己肯定感の定義は何だろうか。インターネットで検索するとたくさんページが出てきて何をリファーするか迷ったけれど、国立青少年教育機構では次のように書かれていた。

 

 

自己肯定感とは、自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉です。 (出典 実用日本語表現辞典)

 

 

自己肯定感とは、自尊感情(Self Esteem)、自己存在感、自己効力感などの言葉とほぼ同じ
意味合いで使われています。
(出典 国立教育政策研究所自尊感情』?それとも『自己有用感』? 平成27年

 

www.niye.go.jp

 

その他にも自己肯定感に関する記事に目を通していると、"自分のあるがままを受け入れること”と言ったフレーズが度々出てくる。

あるがままを受け入れるとは、どういうことなのだろう。実はとても難しいことで、そのためにはまずあるがままで”受け入れられる”経験が必要なのではないかと思う。価値があるから、役に立つから"受け入れられる"のではなく、そのままで受け入れられ、愛される経験。私にとっては、留学時のホストファミリーがそのような存在だった。異国からの留学生である自分を受け入れ、”私たちの娘”と呼んでくれた。受け入れ費用などは貰わず、むしろ食費などの生活費を負担するボランティアにも関わらず、だ。

 

なぜ、再び自己肯定感について考えるようになったかというと、甥と過ごす時間が影響している。捕まり歩きをしたり、靴を履いて歩いたり、コップから飲み物を飲んだり。大人からすると出来て当たり前の日常動作だけれど、生まれたばかりの時はどれも出来なかったことばかり。彼を見ていると、一つずつ出来ることを積み重ね、人間はこのように成長していくのかと眩く感じる。その時に「できたね」「すごいね」と声をかけて一緒に喜んであげると、とても嬉しそうな顔をする。きっと”できた”と認識することを助け、それが自信に、成長に繋がっているのだと思う。

そして、一緒に喜んでくれる人がたくさんいるというのは素晴らしいことなのだと思う。さらに加えるならば、”できた”ことを喜ぶだけでなく、例えできなかったとしても”挑戦”したことを尊ぶ存在でありたい。決して何かを”できる”から、素晴らしいわけではないのだから。

私は、甥っ子の親にはなれない。けれど、親以外の存在が一緒に成功を喜んでくれること、挑戦を尊んでくれることによって、彼が自分に自信を持ち、素晴らしい存在であると感じられるようになったら嬉しいなと思う。そういう眼差しで周りの子どもたちに接することが、”社会で子どもを育てる”や”地域で子供を育てる”ことなのかもしれない。甥のためのようで、自分の自己肯定感を高めることにつながるのかもしれない。

この気持ちを忘れないでいたい。